免疫とアレルギー- 10
今回は「抗体」について、少し詳しく書いていきましょう。人には5種類の「抗体」があると前回で書きました。詳しく覚える必要もないのですが、血液中に最も多い「IgG」、粘膜面から粘液に放出される「IgA」、通常は微量しか存在しないけど、アレルギーに深く関係する「IgE」、5つの「Y字」が固まった「IgM」、良く働きが分からない「IgD」があるのです。A、B、Cの順番に並んでいれば良いのですが、なぜかバラバラなんですよね。で、それぞれの「抗体」の特徴ですが、まずは「IgG」。これは細かく分けるといくつかのタイプに分けられるのですが、ここでは無視します。「IgG」は血液中に最も多く、70%以上とされています。次に多いのが「IgA」で15%くらいなのですが、「IgA」は血液中より、粘液中に存在します。「IgM」も10%くらい存在しますが上記にあるように5つが固まっているので、「マクログロブリン」という二つ名を持っています。「IgE」は0.001%とほとんど血液中には存在していませんが、アレルギーに深く関与していることから、後々、詳細に説明します。「IgD」は血液中にはなく、リンパ球の表面にだけ存在しています。
「抗体」は脊椎動物のみに存在する免疫物質ですが、グループによって種類が異なります。魚類は「IgM」、「IgD」と「IgT」。両生類は「IgM」に加えて「IgX」、「IgY」。爬虫類は「IgM」と「IgY」。鳥類は「「IgM」、「IgA」と「IgY」です。こう見ると、「IgM」が全ての脊椎動物に存在し、もっとも古典的な「抗体」であることが予想されます。
次回は「抗体」がなぜ免疫物質(たんぱく質)と言われるのかを書いていきます。